始まりがあれば終りがある。

Pal’las Palace というアパレルブランドの店頭に置かれる冊子に、エッセイを
15年書かせていただいた。
手間とコストのかかる天然の染料を使ったり、江戸の粋人のように裏地にもこだわったり。
とてもおもしろ洋服作りをしていて、10年経ってもがTシャツがよれよれにならないところも好きだった。

今月、デザインチームが解散。初めて、ゆっくりAD・広報の3人で食事ができた。
明るく楽しく、しみじみと。いい夜だった。

始まりがあれば終わりがある。さて、つぎの15年へ。

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最後のエッセイは「つつしみ」について。パルコ、高島屋など全国の百貨店、直営店で、お買い物をするともらえます。

母子問答

娘は地味な顔をしている。本人も認めているので書いてもいいと思う。
ところが、首を37度にかしげ、まぶたを68度下に向け、まばたきを数回した後の0コンマ5ぐらい
広瀬すずに似ている一瞬がある。たぶん、世界でその瞬間を見つけたのは私だけだと思う。

で、今日言ってみた。後半、自分で言いながら「ぷっ」とふきだしてしまった。

私「あんたさー、一瞬広瀬すずに(ぷぷっ)似ている時が(ぷぷっ)あるよ(ぷぷぷっ)」
娘「いやいや、ないし。てか、笑っちゃってんじゃん。
 考えてみ。そもそもあなたから、広瀬すずが産まれるわけないから」
私「でもちょっと、ほらこの角度で鼻から上が・・・」
娘「似てねーしっ。それ以上言うとむなしいから。てか似てないって、こんなに本人に言わせんなっ」

ですよね。

『写真時代』を創刊した編集者、末井昭さんの『素敵なダイナマイトスキャンダル』をたまたま最近読んだので、同名の映画を見た。荒木経惟さんに、ジャズミュージシャンで作家の菊地成孔さんが扮していて、どちらも好きな人なので、キャステイングの妙に驚いた。
登場人物はもう少し少なくても良かったかなと思う。

 ところでこの映画を見た翌日、荒木経惟さんのモデルを長らく勤めていた一人の女性が、声を挙げたのを知った。その後、水原希子さんらがインスタで拡散した。

 me too という時代のうねりの中で、大きなメディアが取り上げないのも(唯一『美術手帖』は取り上げた)、「巨匠と言われる人にはよく聞かれた話だよね」と片付ける業界の男性たちの声も、まったく昔から変わらなすぎて驚いた。
つまりは、女が自分たちで変えるしかないんだろう。

 ただし、この告発(と敢えて記す)は、作品とは切り分けて考えなければいけない。わたしは荒木経惟さんの写真は、やっぱりどうしたって『さっちん』のときから好きだ。世界中の写真のバイヤーが集まるパリフォトで、彼のコーナーだけ日本とは別立てで成立していたことに大きな誇りを感じた。

  私は、16年間荒木さんのミューズとして作品に登場したKaoriさんが未来を変えようと、大いなるものに向けて投げたボールを、まっすぐな気持ちで受け止めたいし、ひとりでマウンドに立ち、投げきった勇気に最大の敬意を表する。

「その知識、本当に正しいですか?」
(KaoRi)

ゆくがいい。

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息子、初出勤。
「帰っても俺から話すまで、どうだったとか聞かないでね。うざいから」というのでイラッとし、能面みたいな顔で送り出した。
社会の歯車になるしんどさと誇り、やりがいと、ときにままならぬ歯がゆさ。働くとは、その両方を知ることだと、学ぶ日々が始まる。