反響

 今年の春、”「からっぽ」のお弁当につまっているもの ”というテーマで
エッセイを3本書かせていただきました。

 作品に、素敵なオリジナルの映像と音楽が添えられたこともあり
思いがけず大きな反響をいただき、企画した花王プラザさんに、1万を超える感想が寄せられたそうです。その多くに
ご自分のからっぽのお弁当の思い出が綴られていました。

 今月、そのなかからいくつかをご紹介。”みんなの「からっぽ」につまっているもの。”というテーマで
それらの作品にコメントを添えさせていただきました。

 ウエブというメディアのインタラクティブな関係性に、あらためて驚かされたできごとでした。
そして、どこにでもあるお弁当というテーマの、どこにもない一人ひとりの物語の奥深さにも
胸を打たれました。

 ぜひ、このために作曲されたピアノ曲を「オン」にしてお読みください。

「からっぽにつまっているもの。」

(近況写真)
クリスマスに初めて、娘の希望で教会を訪ねた。1936年築の富士見が丘教会(下北沢)は、国の有形文化財だった。近所なのにそんなことも知らなかった。
心も耳も静かに穏やかになる独特の空間で、キャンドルの炎を見つめる。優しいとか慈しみとかいたわりという言葉を、空間で表現しろといわれたら、ああなるんだろう。パイプオルガンの音色が細胞にしみた。

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定例の言い訳。

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1日おきに忘年会やら酒席に出かけている私に、娘がひと言
「育児放棄だ」。
この時期だけはすまん、飲むのも仕事のうちなのだと、昭和のお父さんみたいな言い訳をしてみるも
冷ややかな視線が痛い。

「うちのクラスの親で知らないのママだけだと思うから一応言っておくけれど、センター来月13日だから」
「ええええええええっ!もうそんな?」と
回転寿司屋で叫んだら、こちらのレーンの人全員に振り向かれた。
自分のスケジュール管理に精一杯で、もう無理。母親偏差値は30以下です。

(写真)
必ず飲むのは、シングルモルトか、カルバドスか、オードヴィ。宴の後、ひとりでも近所のバーで、これでしめる。この旨さを教えてくれたのは、パリ歴の長いカメラマン・安部まゆみ巨匠。巨匠は今日は、角砂糖に何かの酒を数滴しみこませ、「くぅ〜っ。うまっ。この飲み方が一番好き」と、荒ぶる海で漁を終えたアイルランドの漁師のような表情で、目を細めていた。

〈仕事だより〉枝野さんインタビュー・前編

不妊治療の末に妻は37歳で出産、祖父母を頼れない都会での双子の育児、会議の合間に風呂入れに帰宅……。
育児を「実際やってみたら、大変を通り越して壮絶だった」と語る枝野幸男さんはしかし
選挙中、見たことのない笑顔で語るのだった──。

モーニング編集部+FRaU編集部共同編集「ベビモフ」
<子育て 私の場合>枝野幸男さんインタビュー

酒と、3週間前に逝った夫と、彼女の話

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朝日新聞デジタル&W 「東京の台所」更新。
こんな取材は初めてでした。
「酒と、3週間前に逝った夫と、彼女の話」
1晩で16万ビュー、5日で50万を超えたとのこと。
東京の市井で生きる、ふつうのひとの、ふつうの台所。
でも一人一人に、誰にも似ていない物語が必ずある。
いつもより多く方に読んでいただいたことをとても嬉しく思います。
ありがとうございました。

今、書かなかければと思った。

ヒロシマ、ナガサキに落とされた二発の原子爆弾を開発した科学者は3000人いた。
そのうち70名が「日本の非戦闘員のいる小さな町に落とすのはやめてください」と
トルーマン大統領に請願書を出していた。自分たちはナチスを倒すために、開発製造してきたのだ、と。

今年1月。
私はアメリカに渡り、その請願書に署名をしたユダヤ系科学者本人と、家族、同僚らに取材をした。
科学者は皆90代で、約束の10日前に天に召され、取材がかなわなかった人もいた。
今聞いて、書きとめねば。その思いだけで、とびこんだ。

なぜ署名をし、その署名はどうなったのか。
21万人の明日を、一瞬で奪った原爆という大量殺戮兵器を開発したことを今
どう思っているのか。
これまでどう生きてきたのか。
子どもや孫には、自分が開発者だと伝えたのか。

そして現在の北朝鮮の脅威を、トランプ政権が進める核戦力増強政策を、どう受け止めているのか。
彼らの口から出た想定外の回答に、私は雨のやまぬシアトルで、真夜中のサンディエゴで、たたただ途方に暮れるばかりであった──。

金なしコネなし経験なしの怒涛の旅の記録と、署名科学者たちの証言をまとめた新刊『届かなかった手紙 原爆開発「マンハッタン計画」科学者たちの叫び』(角川書店)が
一人でも多くの皆様の目に留まるくことを願っている。

「がれきの中で聞いた言葉をいま皆さんに繰り返します。“あきらめるな、押し続けろ、光の方にはっていくんだ”」と
ノーベル平和賞授与式で、『核兵器禁止条約』の採択に貢献した国際NGO ICANに寄せて被爆者がスピーチしたこの日に。

届かなかった手紙 原爆開発「マンハッタン計画」科学者たちの叫び