無謀リクエスト

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交換留学でイギリスにいる息子の所に、春休みを利用してGFが遊びに行くという。
「あのさ、悪いんだけど、スコッチウイスキーを3本買って、〇〇ちゃんに預けてもらえないかな。こっちで受け取るから」
「はああ?。俺が買って送るよ」
「スーパーけち男のあんたが、高い送料払って送るわけがないじゃん。お願いだから、〇〇ちゃんに持って帰ってもらってよ。そっちにしかない蒸留所があるんだよー、シングルモルトで美味しいのがさあ」
「知らねえよっ。おかんの酒持って帰ってって、俺が彼女に重い酒瓶渡して頼むの? むりむりむりむり。そもそもおかんの酒、それも3本っておかしいだろ、普通に。どんな家庭なのって」
「じゃ2本でいいから」
「・・・じゃ1本な」

結局丸め込まれているケチ男。
まだ自らの悲しいさだめを知らない〇〇ちゃん。
手もとに届くのが今から楽しみすぎてしょうがない。

『サバイバルファミリー』

「今、電気が止まったら、家族4人で食料どれくらいもつかな。ちょっと書き出してみて」。
夫はもう忘れているらしいが、ある日突然そう聞かれた。
矢口(史靖)さんがそういう映画を作ろうとしているとのことだった。
ペットボトルが2本しかなくて、おのれの備蓄の適当さに呆れた。
3年後、映画「サバイバルファミリー」が完成した。
出版の世界と違って、映画は途方もない時間と手間とお金が掛かる。
ベストセラーの原作も、バイオレンスも、ど派手な爆発やCG、セックスや地球外生物もない。
ごく普通の家族が、ある日大停電に巻き込まれる物語。
ぐいぐい引き込まれて、最後はしっかり泣いていた。
そういう映画です。どうぞ映画館に足をお運び下さい。

新刊発売

男と女の台所_cover

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2月22日、『男と女の台所』(平凡社)が発売です。前作『東京の台所』(平凡社)は50人。今作は19人で、じっくり愛と別れの物語を書き込みました。
一人の方をいくつかの季節に渡って何度か取材し、作品を積み上げました。

作家の重松清さんが感謝にあまりある帯を書いてくださり、いまは静かに1週間後の発売を待つばかりです。
書店で見かけましたら、どうかひとつ是非、手におとりいただきたいと切に願っております。

(前作)
台所本シリーズ2作目に合わせ、前作「東京の台所」の帯を一新しました。

12年ぶりのリターン

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中学の同窓会のため、12ぶりに長野県駒ヶ根市に帰郷。アルプスに囲まれたうつくしい山里で、
中学の頃は「山しかない」と不満に思っていたが、今はこんな宝に囲まれて私は多感なあの時期を過ごしたのかと誇らしい気持ちになる。
父の転勤が多く、その町にいたのは5年。いまだに声をかけてくれるのはこの学校の友だけだ。
地元のスーパーに寄り、差し入れ用のお酒と自分の土産用に地元のワインを買う。お金を払おうとすると、友が
「おまえは交通費がかかっとる。そんな金はもらえん」と受け取らない。
宴のあとも宿で夜中3時ごろまでおしゃべり。もうこの町に実家はないけれど、故郷はどこかと聞かれたら、青い空に映える白い山の稜線と、友のいるこの町が浮かぶ。

翌日新宿に戻ると喉が痛い。中国のPM2.5がここまで来たかと思ったが
酒と騒ぎすぎのせいだと、あとから送られてきた二次会の動画を見て気づいた。

(写真)
母校がおそろしいほど変わっておらず拍子が脱けた。

日本一うまいと信じているソースカツ。大人になるまでカツ丼はみな甘辛いソースをくぐらせたもので、卵でとじるのは特別な東京風なのだと信じていた。駒ヶ根のカツはどこもこれで夢のように美味しい。