無謀リクエスト

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交換留学でイギリスにいる息子の所に、春休みを利用してGFが遊びに行くという。
「あのさ、悪いんだけど、スコッチウイスキーを3本買って、〇〇ちゃんに預けてもらえないかな。こっちで受け取るから」
「はああ?。俺が買って送るよ」
「スーパーけち男のあんたが、高い送料払って送るわけがないじゃん。お願いだから、〇〇ちゃんに持って帰ってもらってよ。そっちにしかない蒸留所があるんだよー、シングルモルトで美味しいのがさあ」
「知らねえよっ。おかんの酒持って帰ってって、俺が彼女に重い酒瓶渡して頼むの? むりむりむりむり。そもそもおかんの酒、それも3本っておかしいだろ、普通に。どんな家庭なのって」
「じゃ2本でいいから」
「・・・じゃ1本な」

結局丸め込まれているケチ男。
まだ自らの悲しいさだめを知らない〇〇ちゃん。
手もとに届くのが今から楽しみすぎてしょうがない。

『サバイバルファミリー』

「今、電気が止まったら、家族4人で食料どれくらいもつかな。ちょっと書き出してみて」。
夫はもう忘れているらしいが、ある日突然そう聞かれた。
矢口(史靖)さんがそういう映画を作ろうとしているとのことだった。
ペットボトルが2本しかなくて、おのれの備蓄の適当さに呆れた。
3年後、映画「サバイバルファミリー」が完成した。
出版の世界と違って、映画は途方もない時間と手間とお金が掛かる。
ベストセラーの原作も、バイオレンスも、ど派手な爆発やCG、セックスや地球外生物もない。
ごく普通の家族が、ある日大停電に巻き込まれる物語。
ぐいぐい引き込まれて、最後はしっかり泣いていた。
そういう映画です。どうぞ映画館に足をお運び下さい。

『男と女の台所』

『男と女の台所』(平凡社)

文・写真 大平一枝
装幀 横須賀拓
編集 佐藤暁子(平凡社)

連載編集 福山栄子、辻川舞子、諸永裕司(朝日新聞社)

『東京の台所』(平凡社)の第二弾です。
朝日新聞デジタル&wの連載を元に書き起こしと追加取材によって、19人の愛と別れの物語を執筆。すべての舞台は台所です。

・同卓異食は終わりの始まり
・与えられ、失われ、見守られ、愛される
・人気フードブロガーの恋
・結婚五四年。団地暮らしの夫婦のものさし
・路上生活夫婦のあるきまじめな日常
・離婚。味覚をなくした先に
・ていねいになんて暮らせない
・四〇代。家庭内クライシスの先に見つけたもの
・彼女と彼女の食卓
etc.

【制作こぼれ話】
朝日新聞デジタル&wにて隔週連載5年目。訪ねた台所は150軒を超えました。
夫婦、同棲カップル、同性カップル、夫を看取った女性、離婚危機、ホームレス。
19人の台所を通して男女の愛の本質を探ります。
前作は「ほんをうえるプロジェクト」に採択され、書店のみなさんが
長く大事に売ってくださいました。
本作も長く愛される本になるようにと願っています。

韓国で翻訳本が出版されました。

 

新刊発売

男と女の台所_cover

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2月22日、『男と女の台所』(平凡社)が発売です。前作『東京の台所』(平凡社)は50人。今作は19人で、じっくり愛と別れの物語を書き込みました。
一人の方をいくつかの季節に渡って何度か取材し、作品を積み上げました。

作家の重松清さんが感謝にあまりある帯を書いてくださり、いまは静かに1週間後の発売を待つばかりです。
書店で見かけましたら、どうかひとつ是非、手におとりいただきたいと切に願っております。

(前作)
台所本シリーズ2作目に合わせ、前作「東京の台所」の帯を一新しました。