コドモの終わり

IMG_0734

 大学の体育会サッカー部前期戦終了。秋から留学する息子は5歳から続けたサッカーのおそらくこれが最後の公式戦。長年低迷していた部が、今期は健闘し、上のリーグに上がれるかもしれないというので、大学だというのに地方からも親御さんが駆けつける盛り上がりを見せた。
 私も入学式以来3年ぶりにキャンバスへ。高校時代は怪我で1ヶ月入院、半年リハビリしたり、なんだかんだととにかく每日よく洗濯したもんだと感慨深い。いったい何千回、ビブスを洗っては干してきたんだろう。

 途中キャプテンマークを外し、秋からキャプテンを務める仲間に渡してピッチから出る姿を観た時は、こみあげるものがあった。まさか大学生にもなる息子の試合を見に来るとはな。でも来てよかった。5歳からボールを追い続けた姿が重なり、ああこれが奴のコドモの最後の姿だと思った。
 ピッチを出たらもう私のあずかり知らぬところを生きていく。
 
 お疲れ、と最後に声をかけたら、ヘディングのしすぎか後頭部が薄くなっている。
「あ、あんた! 禿げとるがな」。
ねぎらいを言うはずが・・・。あとは、おっさんまっしぐらか。
「そんなことねーよ」
と返されたが、帰宅後、後輩からもらった色紙に
「先輩、イギリスには養毛剤を持っていってください」と書かれていた。
指摘されとるがな。

(写真)
VS北里戦 5−0で勝利。大学4部リーグ 前期全勝で後期にのぞむICUサッカー部の面々。

『ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』


 ゲロッパ!くらいしか知らないのだが、吉祥寺オデヲンで『ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』を観た。
 その前に昼間からクラフトビールを飲んだので、尿意をもよおさないか冷や冷や。なら飲むな、飲んだら映画館行くな、行くなら飲むなという話なのだが。
 帝王の光と影が、黒人の権利のために戦った日々とともに描かれている。ジェームス・ブラウンがファンクを発明したのだなあとか、この頃の大スターというのはとんでもない働き方をするのだなあとか、大統領選に利用された挙句齟齬にされた権利のことなど示唆に富んだドキュメンタリーだった。
 プロデューサーは、JBを敬愛、ステージのパフォーマンスは彼から大きな影響を受けたというミック・ジャガー。
 もう少し短くしたほうが、エッジのきいた内容になりそうだ。音楽ドキュメンタリーの難しさを今回も実感。

仕事便り 新刊発売

紙さまの話: 紙とヒトをつなぐひそやかな物語

幻冬舎PLUS 連載『沖縄陸軍病院 南風原壕(はえばるごう)を”奇跡の戦跡”にした男たち』 第4回 更新です。6月23日は慰霊の日(沖縄戦が終結した日)。沖縄県民にとって本当にすべてが終結していないと再確認される日でもありました。

1年がかりで書いてきた新刊紙さまの話: 紙とヒトをつなぐひそやかな物語誠文堂新光社)が7月7日発売に。
好きな紙質が表紙に採用され、印刷の上がりが楽しみです。

『天然生活』8月号で、山田節子さんに取材をしました。日本の食卓に良い器や、質の良い卵を紹介してきた元祖ライフスタイルコーディネータ−。おしゃれだから、あの人がいいって言ってるから、心地いいから、といったふわっとした理由でなく、もの選びのすべてに「理念」がある。お話を聞くほど興奮が高まる人生の先輩でした。

雨の日の中年サザエ。

雨の中、ハイヒールで地下の飲食店への階段を降りたら、滑って、正座の状態で下まで転げ落ちた。
両脛を死ぬほど打撲した状態で、一番下まで落ちて顔を見上げたら
佐藤健くんみたいなしゅっとした顔の店のお兄さんが「いらっしゃいませえ」。
いや、今おかしいでしょその挨拶、と突っ込みを入れる気力もないほど苦痛に顔が歪んだ。
まずは助けて、おばちゃんを。

海よりもまだ深く

是枝監督の新作『海よりもまだ深く』がとんでもなくよかった。『海街diary』もよかったがその何倍もシンパシーを感じた。寅さん映画のようなあたたかさとユーモアが、ミルフィーユのように、家族のおかしみと切なさの中に挟み込まれていて
是枝監督にしか描けない世界だなあ、と。
爆発や地球滅亡やおとぎの世界の実写や過去のリメイクや100万部の原作や輝くトップスター(樹木希林や阿部寛さんはもちろん随一の映画俳優さんであるけれども)がいなくても、人の心を動かす映画は作れるとこの作品が教えてくれる。ああこの配役ね、という安定感がもたらす予想をはるかに上回る怪演をみながやりきっていて、圧倒された。もう一度みたい邦画に久しぶりにであった。

仕事便り2

リライフプラスvol.21 (別冊・住まいの設計)

『リライフプラス(別冊 住まいの設計)』(扶桑社)発売。

巻頭 「ブックシェルフハンター」
今月はガラス作家のイイノナホさんの書棚を覗きに行きました。
中庭に面した風の抜けるアトリエの書棚。数年ぶりに訪れるナホさんのそれは相変わらず明るく気持ちが良く、
ナホさんの人柄が建物全体を包んでいるような
穏やかで優しい空間でした。建物は人なり。なんつって。

撮影:本城直季、文:大平一枝

連載 「東京オアシス〜グリーンフィンガーを探して」は、西荻窪の音楽好きのイカしたお兄さんがひとりできりもりする花屋さん.MOS(ドットモス)へ。
撮影:佐々木孝憲、文:大平一枝