美しい日本語

文化放送で17年続く『浜美枝のいつかあなたと』に出させていただくことに。収録に伺うと、放送作家の方はもちろん、浜美枝さん、寺島アナウンサーともに拙著『東京の台所』を深く深く読み込んでくださり感銘を受けた。仕事はていねいに、と改めてその姿から学ぶ。番組が長く続くわけだなあと思う。
浜さんは、若輩の私に対しても誰に対しても、それはそれは美しく正しい敬語を使われる。大人の美人で言葉の汚い人はいない、という持論がまたも証明された日。
放送は7月5日(日)10:30~11:00。
浜さんのブログでは、拙著のご紹介と共にご自身の台所をこんな風にしみじみと綴っておられる。

透視画像!?

安部まゆみが「見ろ、絶対見ろ。これは大平だ」と言うので東京ガスのCMを見た。誰よりも遅くまで起きているのは家事や家族のためでなく、ただだらだらネットをしたり原稿を書くためなのだし、料理も上手くないのだが、それ以外が全部あたしだった。先週も、「ずいぶん急に老眼進んだなー、昨日まで見えていた文字が全然読めん」と思いながら原稿を書いていて、「あ、このメガネ、息子のだ」と1時間後に気づいたばかりだし。

ビバ!句会

初めて俳句を作り、句会というものに参加。5句のうち1句特選、3句並選をいただいた。
「初心者にいい思いをさせるキャンペーンでしょうか?」と聞き返してしまうほど有頂天になったのはいうまでもない。
もう自分は天才かもしれんと、意気揚々と帰宅し、興味ゼロ顔の家族の前でしつこく選ばれた句を朗々と詠み上げた。

たった17文字の文学。耳を澄まし、心を透明にし、日常の一瞬の気持ちの揺らめきや、季節のうつろいを言葉に紡ぐ。こんなおもしろい世界があったとは。なぜ今まで自分は気がつかなかったんだろう。ちょっともう、おもしろくてしょうがない。
これ、初めてパチンコに連れて行かれ、いきなり連チャンしてどっぷりハマってしまったときの気持ちに似ている。
いいな俳句は。お金もかからず、ハマればハマルほど自分の芯のところが潤うから。

生まれて初めて作った一句。(お題「住む」)
古簾(ふるすだれ)住みし年月 風に揺れ

ちなみに俳句にあまりルビは振らない方がいいそうです。野暮らしい。

プレイバック17歳

開心亭 一之輔ひとり会(六本木 ゆにおん食堂)。聴く度に、もっと聴きたいもっともっとと我慢のきかない大人にさせられてしまう春風亭一之輔さん。

偶然も偶然。〇十年ぶりに高校の隣のクラスの人とこの会で出会う。着物をシャンと着こなすかっこいいグラフィックデザイナーになっていた。
その昔、クラスは違うのに、彼女のいる美術部でお弁当を食べ、フュージョンならこれを聴くと良いよと勧められ、のこのこと自宅についていくと新聞のFM欄は、聴きたい曲につけられた赤丸印でいっぱいだった。聖子だ、サザンだとみなが言っているときに、ひとり、リー・リトナーとか聴きまくっていた。
そして、制服のまま、長野の片田舎によくこんな、と思うような地下に続くかっこいいジャズ喫茶にもつれていってもらった。
今日会ったら、憧れていた高校の先輩が美術評論家になっていたとか、あの子は今ハワイとか、他愛もない話が止まらなかった。もうすっかり忘れていたけれど、私にも青春があったんだなあと彼女のかわらぬ笑顔を見て思いだした。

きけば、一之輔さんの落語会まわりではいろんな偶然や奇遇がつながっているらしい。磁石のようにいろんな人を引き付ける、きっとそういう人なんだろう。それもまた落語家の才能のうちのような気が。

夕食は若林の夕(せき)で。楽しい時間は矢の如く過ぎていくな。

逆謝罪

クチコミで評判の良い施術者さんのリンパマッサージを受けに行った。素晴らしい技術で、みるみる体中がほぐれていく。汗を流しながらぐいぐい全身をマッサージしていた女性の手が今度はお腹へ。すると彼女が申し訳なさそうに言った。
「大平さん、指が……指が腸に届きません」
「皮下脂肪が厚すぎて?」
「はい、もうちょっとだけ脂肪が減ってくれたら皮膚の上から触れるんですが、今どんなに押しても、どこに腸があるのか…ちょっとわからなくて、すみません」
いいえ、謝らなくてはいけないのは私です。ああ、普通の人のようにお腹の上から腸を触ってみたい。