リグレット

好きだった義父を3年前に亡くして以来、できるだけ帰省しようと決めた。
実家の前の夕焼けと山の稜線があまりに美しく、吸い込まれそうだった。
どうして、若い頃、これに気づかなかったろうなあ。

高知、香川旅

イサム・ノグチ庭園美術館。撮影許可はここのみ。
私の体を今切ると、おそらくカツオ風味の血が流れる

 

市内に川があるのはいいなと思う。視界がひらけ、特別にリラックスする

 

牧野植物園隣の竹林寺。苔と新緑が息を呑むほど美しかった
牧野植物園隣の竹林寺。苔と新緑が息を呑むほど美しい

 

四国村ギャラリーでは猪熊弦一郎展を。(撮影可)
うどん休憩2回

 

ほんのりいのちがけ。

高知3泊香川1泊。久しぶりの仕事なし純粋旅。

イサムノグチ庭園美術館、猪熊弦一郎(丸亀の美術館は休館中)、高知県立牧野植物園(植物園感が変わるほどモダンで美しいランドスケープデザインであった!)と、アートや草花に見惚れつつ、土曜オーガーニックマーケット、日曜市と主婦3人で、ポン酢やら柚子アチャールやらどんどこ買い込み。

ひろめ市場で昼間から飲み、夜は屋台で餃子含め3軒はしご。みるみる肥えていった。

ときに集団をひとり離脱し、心を整えつつ、日本のラテンの旅を楽しんだ。

 

 

あの人の書棚

自覚のない読書狂は、最後に彼の来し方が投影された鮮やかな一言を我々に託した。

「情報はスマホから得られる。人生を変えるほどの衝撃は本からしか得られない」。

 〜「ブックシェルフハンター」第15回
(撮影:本城直季、文:大平一枝) 『relife +vol.32』扶桑社 3月14日発売 より

鹿島茂さん(フランス文学者、稀覯本コレクター)の本棚です。



車窓と故郷

JR飯田線にコトコト乗って
高校弓道部の同窓会へ。
もうそこには実家がないので、通学に使ったこの電車に乗るのは30余年ぶりとなる。
冬枯れの山。空の色。無人駅。
何も変わらなくて、自分だけが変わった。

「スイカは使えません」という車内アナウンスが、潔い。
懐かしい車窓にかぶりついていたら、まんまと2駅乗り過ごし
車掌さんに教えてもらい、飛び降りた。
次は40分後とな。
友達が車で拾ってくれ、事なきを得た。

久々に会う彼女は開口一番
「あいかわらずやってくれるね。さすがだね。大平はこうでなくっちゃね」。
面目躍如だ。あ、使い方違うか。

部活の同窓会というのは
やってみるといいものだ。
ズルしてランニングしたり、補欠で悶々した17歳のだめな自分を
ありありと思い出すことができる。
自分なんて全然だめじゃんと思うのと、あの頃よりは少しだけ成長したな、の
両方を確認できて、なんだか新しい元気ができる。

ぱりっとしていた先輩は、今もぱりっとしていて
ふわとしていた先輩は、今もお菓子を女子(あえての「女子」)に配ったりふわっと優しかった。

部活に続き、高校のミニ同窓会も開いてもらった。

男子が、私の写真用作り笑顔をおもしろがるので
そうだこれは作っていたと、久しぶりに思い出した。
旧友はすぐ見破る。

私の書いているものなど知らないだろうと思っていた友が
「嫁が読んでるよー」というので
本人が読んでくれている以上に、嬉しくなった。
だって、「これは友達だよ」と、彼女にどっかで伝えてくれていたわけだから。

伊那地方で著書イベントをしたときも
「引っ越してしまったし、だれも知らないだろうし」と
誰にも知らせなかったのに、開場時刻のずっと前にもう懐かしい顔が4つ並んでいて
ぐっときた。

見えないところで
まるで見えてないような感じで、
でも、そっと見てくれている。

この距離感が故郷の友というものなんだろう。

朝起きたら、笑いすぎでスナックのママのように声が枯れていた。

秋色

朝からここでお仕事。信州の秋には、ゆたかで、おいしい色がたくさんつまっている。(実家から車で10分だが、寄れずにとんぼ返りのとほほ付き)