仕事だより2 かっこよすぎる詩人

強くて孤独で、
勇ましくて繊細。

こんなかっこいい詩人がいたこと
ごそんじですか?

本日より、月2回(第2第4木曜日)、光文社ウエブサイト「本が好き。」にて、ブックレビューを担当します。

第1回は、素敵な料理家から教えてもらった詩人、吉原幸子の作品です。

「本が好き。」(光文社)ブックレビュー
第1回 『吉原幸子詩集』 大平一枝

絶対に見たほうがいいのです。

 

絶対という言葉を安易に使いたくないが、やはりこの作品は絶対に観たほうがいい。『1987~ある戦いの真実』。すべて実話の、韓国の民主化闘争の話である。

小難しさや退屈さは一切ない。

エンタメ的に完成された手に汗握る韓国映画らしい構成で、ぐいぐいと1987年のソウルに引っ張られ、気づいたら大泣きしている。
隣の知らないおじさんも、ひくほど、おいおい泣いていた。
泣くのは、悲しい場面ではない。しっかりとたしかな「希望」を感じる場面で
滝のように流れ出る。そんな映画は久しぶりだ。

これがつい30年あまり前の実際におこったということ
世界の多くの人が、ソウルオリンピックの前年に
これほど大きな民衆の蜂起があったということを知らされていないそのしくみに
驚かされる。

私などバブルの端っこで浮かれていただけだもの。隣国なのに。

『万引き家族』『カメラを止めるな』。今年は映画からたくさん力をもらった。
あ、まだ終わってないけど。

 

料理、『カメ止め』

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大学が夏休みの娘が、思いついたように料理をする。
が、思いついたときだけなので、期待は2%くらいにしている。
そして、料理はこれで撮ってくれと、アプリだけはきっちり指定。
料理家かっ。
SNS世代は、自分の見せ方には、こうるさい。
そして、アプリを全然使いこなせない私は、どれを撮っても赤くなるの巻。
              ★
『カメラを止めるな』ユーロスペースにて鑑賞。
テレビがない時代の映画館は、きっとこんな雰囲気じゃなかったろうかと
思うくらい、笑い声の絶えない朗らかな作品だった。
「あーおもしろかった」と知らない隣の人が、つぶやいた。
無意識に出ちゃったんだろうなー。

盗作に関しては、分量やどの部分かによって審判がわかれるのだろうが、
あそこのあの部分がオリジナルなら、私は全面的にこの作品を支持する。
観た人と語り合いたいものだ。

藤田嗣治天井画展&昭和建築の名作

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特別公開されている藤田嗣治天井画展を見に、迎賓館赤坂離宮へ。

駆け出しの編集プロダクション社員時代、
入稿終わりのボロボロの状態で終電すぎにタクシーに乗り、
ここの前を見るたび、
「あの門の向こうで、政界の偉い人がどこかの国の要人と、
なにかすごい大事な書類に調印をして、
銀のフォークとナイフで、天皇の料理番みたいな人が作った鴨肉などを食べているのかー」と、遠い気持ちになったものだ。

見に行きませんかと誘われ、「税金で作ったものだし、しっかり見てやろうじゃないの」と
はりきってでかけたら、ちゃっかりしっかり入場料が1500円だった。
四ツ谷駅から数分なのに、暑さで卒倒しそうになった。

が、「ここはパリか?」と見紛う世界。
コロンバンの店主が寄贈したという藤田嗣治の絵も、迎賓館のしつらいも、金のネジ一つまで本物のパワーは圧倒的で
結局、同じコースを2周してしまった。

午後は、日本橋高島屋の田窪恭司展 トークイベントへ。
田窪さんの現代美術の説明は、本当にわかりやすい。
難しいことをわかりやすく話せる人が、真の識者だと再確認。

さて、この百貨店のエレベーターは、創建昭和8年のもの。
最新の技術で修復して使い続けているこの百貨店の美意識が尊い。

百貨店として日本唯一の重要文化財である。
こんなすばらしいところに、入場料なしにだれでもふら〜〜〜っと入れる贅沢に
我々はもっと感謝すべきである。

(写真 上2点)
四谷のど真ん中に、パリが・・・。

(写真)
日本橋高島屋。「昭和初期から現存する百貨店建築の中で、最大級の規模」(HP)とのこと。
『GQ JAPAN』という雑誌で、この店の歴史を取材したことがあるが、対応の男性社員が若手もベテランもみな、ものごしが天使のように柔らかで、
うっかり自分が高貴な出の顧客であるかのような錯覚をしかけたことが忘れられない。

そこは水玉の国でした

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(撮影許可ゾーン)

信州おばあちゃんのおいしいお茶うけ: 漬け物から干し菓子まで、信州全土の保存食110品

帰省。草間彌生が異常に好きな娘と、松本市立美術館へ。全館水玉祭り。

ミュージアムショップに、3年前と変わらず、拙著「信州おばあちゃんのおいしいお茶うけ」(誠文堂新光社)を平置きしてくださっていたので、感激してお礼を伝えた。

興奮気味に突進してきた著者に驚くショップの方に許可を得て、記念に撮影。
小学時代を過ごした街に、自著が置かれるのは、格別に嬉しい。

なにより、この本は半年かけて長野県内を歩き、長野の保存食やおやつ、常備菜と作り手の物語を綴った思い入れの深い本なので
本が出ては消えていく現況で
このように何年も大事に売ってくださるのは、
心の底から本当にありがたいのである。

(写真)   
自販機までお見事。