『スピリッツ・オブ・ジャンク・スタイル』

『スピリッツ・オブ・ジャンク・スタイル』(風土社)

装丁 下山ワタル
写真 安部まゆみ、野寺治孝
編集 熊谷美智世
イラスト 北村範史、伊藤絵里子

人にはがらくたに見えるものでも、自分が美しいと思えばそれでいい。
そういう住まいを訪ねていくうちに気づいた。
これは、「もったいない」を大事にする先人達が築いた価値観。
私たち日本人が先祖から受け継ぎ、累々と実践してきた暮らし方である、と。

【内容】
アントス(金属造形作家)、ジャンク・スピリッツ・ロード(裏下北沢)、
牧野伊三夫さんの宝物をのぞきにゆく。私的民藝紳士録ほか

【制作こぼれ話】
ジャンクシリーズ3部作の第2弾。会う人、会う人に、発見と学びを得た。
脱稿したとき、もう3冊目はとても書けないと思うくらいに精根尽き果てた。
何度も取材して、知っているようなつもりになっていたアントスの二人の心の内やルーツを初めて聞くことが出き、
つくづく人物取材は、2時間3時間なぞのインタビューなどでは、
とうていわかりえないものなのだと実感した。
日ごろの取材姿勢を省みる機会にもなった。。

 

『センス・オブ・ジャンク・スタイル』

『センス・オブ・ジャンク・スタイル』(風土社)

装丁 下山ワタル
写真 安部まゆみ、野寺治孝
編集 熊谷美智世
イラスト 北村範史、伊藤絵里子

壊れたら直す。なかったら作る。
ブランドや情報に振り回されることなく
自分のものさしで生きる人たちの生活の思想を描きたかった。

【内容】
源七さん(革もの作家)、ジャンク・スピリッツ・ロード(本郷6丁目界隈)、神社の古道具市ほか

【制作こぼれ話】
7月、10月、12月と続くジャンクシリーズ3部作の第1弾。
リトルマガジンではなく、書籍としてとりくんだ。
小さな本だが、こめた想いは熱い。
取材しながら気づいたのは、たくさん作ってたくさん消費する社会へのしなやかな反骨である。
そして、取材するだれもが、食べることをおろそかにしていないことに驚いた。
木の匙を13年作り続けている夫妻には、働くことの意味を学んだ。
学びの連続だった取材がひとりでも多くの方に伝わってほしいと、
それだけを願って、編集者と二人三脚で半年間没頭した。
濃い時間であった。

 

『ジャンク・スタイル・キッチン』

『ジャンク・スタイル・キッチン』(主婦と生活社)

装丁 下山ワタル
写真 安部まゆみ、野寺治孝
編集 遊佐葉子、熊谷美智世
イラスト 北村範史、伊藤絵里子

自分が焼いた器、自分で作ったテーブル、椅子、そして台所。
大量生産で大量に供給されたおしきせの台所をよしとせず、
使いやすいように自分サイズに手を入れた、
世界でたったひとつの私の台所を持っている人たちをルポ。
台所の数だけ、まじめであたたかな幸福が、確かにそこにあった──。

【内容】
匙屋、寺林省二、わが家の古いもん、待つ料理ほか

【制作こぼれ話】
ジャンクシリーズ3部作がようやく完結。1年に3冊はさすがにハードだったが、目に見えないいろんなものを受け取った。
3冊を通して、じつは、働くとはどういうことかを、いちばん書きたかった。
「こういうことを書きたいんだけど、シリーズともなると、つっぱしっていいのか迷うし、不安がある」と最初に話したときに、
編集の熊谷さんが「これを読んで」とある新聞の社説をファックスしてくれた。
日本の経済と若者の指向についての記事だった。
彼女は言った。「私たちは間違ってないから、迷わずいこう」。そこで3冊の軸になる1本の道が見えた。
執筆中、何度、そのファックスを読み直したことだろう。
発売後、これまでの私の本とは異なり、編集の遊佐さんが、新聞に重点的に働きかけた。
小さな本だが、インテリアの様式としてではなく、暮らしの思想を紹介した書として、編集と営業と著者が一体となり、心を一つに動けたことは初体験で、かけがえのない時間を過ごせた。

 

『かみさま』

『かみさま』(ポプラ社)

装丁 横須賀拓
写真 小林キユウ
編集 鎌田怜子

紙と人の心を結ぶ絆の物語を書きたかったー。

【内容】
(登場人物・かみさま)
山櫻、越前生漉奉書、すみれ洋裁店、佐藤柚香、三木重人、
井上明久、高濱浩子、水野学、大口善介、ゼンマイカムパニー、
ランドスケーププロダクツ、みつ、ちはる、渡辺ゆき、柑、
佐藤克裕、アコ、グッドデザインカンパニー、菊地敦己、
守先正、小林キユウ、青木隼人、ナノグラフィカ、高井綾子、
美篶堂、世田谷区立代沢小学校の学級新聞、RARI YOSHIO、
飯田安国、嶋浩一郎、平野甲賀、田中一光(登場順)

(コラム)
古書日月道、山下印刷、はいばら、おみくじは誰がデザインしているのか、牛乳のふたの秘密ほか

【制作こぼれ話】
全精力をつぎこんだので、しばらくは燃え尽きた感がまとわりついていた。
これまで書籍は、編集者に併走してもらいつつも、「書くときはひとり」という孤独感があったが、これほど編集者と一緒にゼロから作り上げた印象の強い仕事はない。
発売の時は、ああもう手を放れてしまうのだなあ、この本について意見を戦わせる相手がいなくなるのだなあという一抹の寂しささえ感じた。
造本設計という言葉をとても意識させられた本。たくさんの人のお世話になった。

 

『見えなくても、きこえなくても。~光と音を持たない妻と育んだ絆』

『見えなくても、きこえなくても。~光と音を持たない妻と育んだ絆』 (主婦と生活社)

装丁 守先正
写真 安部まゆみ
編集 寺田文一

全盲ろう者の久代さんと、自給自足生活を営む健聴者の好彦さん。
ふたりは40代の終わりに知りあい、恋に墜ちた。
絶望の淵からはいあがり、京都の盲ろう者の希望的存在となった妻と。彼女を陰で支える夫の心の絆、
そして丹後の四季を描いたノンフィクション。

【執筆こぼれ話】
京都、丹後半島の奥地で自給自足をする梅木好彦さんのもとへ嫁いだ花嫁は、全盲ろう者の久代さん。
40代の終わりに知り合ったふたりは恋に墜ち、結婚をした。
笑いの絶えないふたりの壮絶な過去と、
けしておとぎ話ではない山のなかの自給自足生活、
ある壮大な夢を実現してしまった今、そして未来を綴った。

指をつないでコミュニケーションをする触手話の存在を、この時初めて知った。
ふたりのそばにいると、静かで言葉こそきこえないが、
あたたかで楽しげな空気に包まれる。
つねに笑い声が絶えず、指の小さな動きで相手の心をはかる触手話が
魔法の言語のようにみえた。

片道10時間の取材の道中はカメラマンの安部まゆみと、ずっと人生を語り合った。
暑い夏は、過疎の集落の梅木邸前のあぜ道で昼寝。
何年も宿泊者がいないという町の公民館を借りたことも。
食事はもちろん自炊。
一宿一飯の恩義にあずかった集落の人とは今も交流が続いている。
思いがけず、3年もかかってしまったが
私にとって忘れられない、思い入れ深い作品になっている。

執筆こぼれ話】
京都、丹後半島の奥地で自給自足をする梅木好彦さんのもとへ嫁いだ花嫁は、
全盲ろう者の久代さん。
40代の終わりに知り合ったふたりは恋に墜ち、結婚をした。
笑いの絶えないふたりの壮絶な過去と、
けしておとぎ話ではない山のなかの自給自足生活、
ある壮大な夢を実現してしまった今、そして未来を綴った。

指をつないでコミュニケーションをする触手話の存在を、この時初めて知った。
ふたりのそばにいると、静かで言葉こそきこえないが、
あたたかで楽しげな空気に包まれる。
つねに笑い声が絶えず、指の小さな動きで相手の心をはかる触手話が
魔法の言語のようにみえた。

片道10時間の取材の道中はカメラマンの安部まゆみと、ずっと人生を語り合った。
暑い夏は、過疎の集落の梅木邸前のあぜ道で昼寝。
何年も宿泊者がいないという町の公民館を借りたことも。
食事はもちろん自炊。
一宿一飯の恩義にあずかった集落の人とは今も交流が続いている。
思いがけず、3年もかかってしまったが
私にとって忘れられない、思い入れ深い作品になっている。

電子書籍版も発売されました。