なつかしいひと

なつかしいひと

平松洋子さんの新刊『なつかしいひと』読。たとえ同じ風景を見ていても、きっとこの人は風の匂いやしめやかさ、土ぼこり、雲の行方までも平松文学に昇華させてしまうんだろうなあ。ひと文字ひと文字、言葉の選択の巧みさや組み合わせの妙を楽しみながら読む。いい文学をあじわったなと読後に必ず思わせせもらえる貴重な随筆家だ。

ところで本書の表紙写真が木村 伊兵衛の「浅草」。この写真、よく見るが、こうして装幀に使われているのを見ると、しみじみ木村 伊兵衛の天才ぶりがわかる。何気なく撮っているようで計算され抜いた構図や画角であることが素人にもびしびし伝わってしまうのだ。土門拳とか初期のアラーキーの「さっちん」とか。もうどんどん止められないスピードで自分の感動のベクトルがシルバーに向かっているのを実感。そういう私を、安部巨匠が「シル専」と呼ぶ。ほんとやめてほしい。

濃い1日

ひえ、あわ、なつめ、アマランサス、蕎麦の実など。今日の酵素料理教室の材料。
冷やした甘酒と寒天とクコの実のデザート。
野菜サラダとマッシュルームのトマト&アオボカドのっけ。

酵素の師匠宅で料理教室。加熱しない&野菜オンリーなのにおいしくて、しかもお腹がぱんぱんに。
その後、水森亜土さんの取材へ。好きなことだけをしているオーラはひどくまぶしく、きらきらしたチャーミングな人だった。

九州路膝栗毛

小鹿田の窯元の風景
昭和で時間が止まったかのよう。
旅館 樹(いつき)、春の前菜。器とともに愛でる。
由布院のカオスの森。

九州後半は安部巨匠を呼びつけて、別府で温泉三昧。のはずが、
温泉にたどり着くまでに道の駅に行っちゃあ、でかいざぼんや干ししいたけを買い、
怖ろしい物量の古道具屋に寄っちゃあ、おっちゃんと価格交渉をするというような
寄り道のオンパレードでなかなかたどりつけず。
混浴の泥風呂(濁っていて中が見えない)で巨匠が、
不必要なまでに立ち上がってのし歩くおっさんのものをガン見していた。

由布院で開業1年の旅館、樹(いつき)は1泊2万円しないのに、5万円といわれてもおかしくない最高の宿だった。3人しか泊まらない離れに、内風呂と露天風呂がついている。料理も器も女子が大喜びするグレード。次も絶対あの宿に泊まりたい。

最終日は福岡の市場へ寄り、老舗の和菓子店すずので、ようかんの入ったパフェを食べる。和風味の3種のアイスが絶品であった。

クタクタに遊び疲れて東京へ。帰りは気流の関係で1時間半足らず。こんな近いところに素敵な場所があるのに、わざわざハワイとか行くことないなもう。

由布院、CREEKS.へ。

雑貨、本のコーナー。
カフェコーナーでお話を。
壁の隙間にこんな絵が。右はトム・ウェイツだそう。

学びのじかん 第2夜は由布院のcafe&gallery CREEKS.へ。居心地が良くて、刺激もある。かっこよさとかわいさがいい塩梅に同居する店。店主の谷川さんは、「クラフトが好きな人のために聴く音楽を、雑貨のように提案したい。音楽が一番じゃなくて2番や3番に好きな人もいると思う。そういう人に向いた良い音楽を教えてあげたいんです」と熱く語る。目の付け所がフレッシュだ。霜川さんや谷川さんや、こういう熱くて若い人がこれから地方の文化をぐいぐいと先頭立って引っ張っていくんだろう。東京にいると見えないことがたくさんある。

http://creeks.jp/