苦しさの向こう側

大平 自分を疑い続けると、どこかで折り合いをつけないと苦しいだけですよね。


ヨシタケ つきつめると、なんで生きてなきゃいけないんだろうという話にもなる。

よく辛いときに、人はあれがあるから頑張ろうとしがみつく、取っ掛かりがあるんですよね。

僕は、好きも憎しみも、全部なくなって壁がツルツルになっちゃうんです。その瞬間がいちばん怖い。

・・・
⁡痛みを抱えながらずっと生きてきた
ヨシタケシンスケさん(絵本作家、イラストレーター)。

自著のAmazonレビューが怖くて読めない、
取材を終えた端からクヨクヨするという話
でも盛り上がった。

心の苦しさに胸をえぐられるのだけど、
同時に、執筆しながらこんなにくすくすと笑ってしまった原稿も久しぶりなのである。
ぜひご高覧を。

対談連載9回『日々は言葉にできないことばかり。」<ゲスト ヨシタケシンスケさん>

「だましだまし折り合っていく。自分のトリセツの作り方。」(北欧、暮らしの道具店)

文 大平一枝、写真⁡ 上原未嗣