

『日々の散歩で見つかる山もりのしあわせ』(交通新聞社)
著 大平一枝
装幀 斉藤いづみ
写真 山出高士ほか
編集 荻原友香
第1章■散歩の新思想~裏テーマをいだいて歩く
謎の道、もじゃの家、奇看板観察etc
第2章■おもしろうろうろ~物語を感じる
東京無名建築紀行、カオスの十条商店街etc
第3章■持ち帰るヒント~暮らしに活かす
旧武者小路実篤邸、大人のお稽古、紙あそびetc
第4章■美品、良品~永遠の快適を探す
木曽漆器市、深大寺手作り市、もやい工藝、銀座たくみetc
付■散歩をめぐる恋の小編
本の森で月歩き
【制作こぼれ話】
『散歩の達人POCKET』シリーズ創刊。その1冊目である。
主婦のための散歩本をつくりませんか、と元『散歩の達人』編集長さんが仙川を訪ねてくださったのは桜満開の頃。主婦は時間がないですよ。それに主婦は主婦という言葉が嫌いですよと答えると「総菜を買う道中や、シマムラみたいな量販店に行くのも散歩じゃないですか」と山口さん。
そこから、心を豊かにする小さな外出という方向性が絞り込まれた。
保育園に向かう道中。夫と出勤前に喫茶店に行ったり、近所の無人販売の野菜を買いに入ったり、歩きながら不審者のようにきょろきょろとして素敵ORキテレツな家をのぞきあるいた日々のことを綴った。本にすることなどゆめゆめ思わずに撮っていた雑草や、緑もしゃもしゃの家や、変な看板や、ひとりで入れる居酒屋や、忙しい主婦でも通える大人のための単発お稽古など、ここ10年ほどの写真とともに26本のエッセイと41本のネタ、4つの大人の習い事、2編の短編小説、インテリア&ライフスタイル提案ともりだくさんに。
執筆はトライアスロンのようにハードであったが、すべてを出し切った達成感が半端ない。ものすごく良いスタッフに恵まれた。
