冷酷却下

 

私「白髪カバーに、いっそ金髪にしようかって思うんだけどどうかな?」

娘「強いおばさんになるだけじゃない」

注:あくまで私がやった場合に限っての、毒舌娘の推量であり、全中年女性への金髪批判ではございません。

 

(写真)日比谷花壇大船フラワーセンターのさるすべりロード(勝手に命名)。編集者とのロケハンが、ただの女二人癒やされ旅に。

 

仕事と暮らしの充実は同時に、はかりにくいもの

「味噌汁を作ったこともなければ、ご飯も炊けない。社会人になってもしばらく実家暮らしだったのでほとんど料理をしませんでした」

退職、離婚を経て、バッグデザイナーになると決意した彼女は、必要に迫られ自炊を始める。そして独立、再婚。夢を形にした今、彼女の台所。

〈住人プロフィール〉
53歳(女性・バッグデザイナー)
賃貸マンション・1LDK・浅草線 東日本橋駅・中央区
入居10年・築年数37年・夫(49歳・自営業)とふたり暮らし

『東京の台所 2』(朝日新聞デジタル&w)

〈262〉上京、退職、独立、再婚。彼女がバッグデザイナーになるまで

文:大平一枝
写真:本城直季

卒業希望

人生何百回目のダイエット中。食べたものを撮っちゃあ、ダイエットアプリにアップロードしてカロリー計算してるけど、なんだこれ、一生やるのかと、不意に気が遠くなる。食べる前にスマホで撮って「今日はあと◯カロリー食べられる」って心のなかで引き算するの、ムナシス。

だいたい、ふだんのご飯なんて、全力で一面茶色だし。悶々しながらも、結局ちょびっとスタイリングして名前も顔も出さないダイエットアプリ用に撮っている己の虚栄心よ。

 

 

母のお茶請け、私のお茶請け

 

 

 

 

 

子どもの頃少しも興味のなかった母の漬物や保存食のお茶請け。茶色いし、お菓子じゃないし、野菜だし…。

けれども。
母はどんな思いで塩加減を計り、
隠し味を探求し、
毎年同じ季節に仕込んでいたか。
自分があの頃の母の歳になって初めてわかることがたくさんある。

〜「お茶請けの時間に宿るもの」(『家の光』10月号)寄稿  発売

○写真
母と私、それぞれのお茶請け
(和菓子「水無月」は編集さんのおみや)

母…蕗の甘露煮、生姜の佃煮、いちじくのコンポート、茗荷の甘酢漬け
(おがずみたいだけどこれ全部長野ではおやつ)

私…甘梅、干し柿バター

いいんですよ

日帰りの仕事の用事で伊豆へ。たまたま乗ったJR伊東線 伊豆急下田行の座席が窓に向いていて、素晴らしい景色が大パノラマで見られる仕組みに。

ラッキーと思って乗り込んだが、3人掛けで私以外全員カポー。しかも若い。大学生くらいか。おばさんは、カポーに頭を下げて、隣りに座った。私が彼女なら、すごく嫌だ。せっかく休みを合わせて、おそらくこの電車に照準を合わせてチケットを取り、彼氏とふたりきりでこの景色を独占したいのに。パソコン背負ったおばさんが隣りにいるなんて。

たどりついた先のカフェギャラリー「壺中天の本と珈琲 」はそれはそれは垂涎の本棚が並ぶ伊豆・城ヶ崎海岸のサンクチュアリであった。イルマ・ボムの本も何年ぶり家に本物を見れた。茶師で芸術家で、米もしめ縄も作る創造の固まりのような人とお会いし、濃いのにゆったり深呼吸ができる清々しい一日だった。