「しーっ! ぼうやがおひるねしているの」
★★★★
ミンフォン・ホ作 ホリー・ミード絵 安井清子訳 偕成社
1998年

タイの農村の
ゆったりした時間が流れる絵本。
高床式の家の絵をみるたび
「家」というものの原点を再認識させられます


 日曜の午後、お昼寝タイムに読んであげたい本です。タイの村にある高床式の家は、もちろんクーラーなどありません。でも涼しい風が赤ちゃんの頬をなで、柱と柱に渡した青いハンモッグでのお昼寝はなんとも心地よさそう。草で編んだゴザ、お母さんの着ている巻スカートの柄も素敵で、インテリア好きの私には見どころ満載。
 風と光が抜けるすきまだらけの木の家は、台風でもきたらあっというまに吹き飛ばされそうです。私は、一生のローンを背負って、凄い決心をして家を買ったりしたけれど、アジアの片隅のこの小さな村に住む人は、そんなものにしばられたりはしないのだろうな。いかにも風通しのよい、飾り気のない、だけど豊かな感じが、文字と絵を通して伝わってきます。物語がどうの、というよりひたすら家のありかた、シンプルな暮らしのスタイルに胸を打たれる一冊。アジアの絵本はあなどれません。

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