美しい建築

ここ2〜3年で、最もお会いしてみたかったなかのお一人、憲法学者の木村草太さんに取材がかなう。
澄んだ、静謐な仕事場の空気が印象的だった。
木村さんが勤める首都大学東京の建築が、なかなかよかった。
大学と図書館の建築は、その国の民度を表す大事な物差しだと勝手に決めつけているが、
年月とともに絶対いい具合に美しさが増すだろうなと想像できる、
東京らしいとても良い建物だった。

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漬ける生活

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梅押し、マリネを、漬ける漬ける。
保存食というのは、ただやりっぱなしの漬けっぱなし、干しっぱなしだったりするのに
妙に「ていねい」感が増す。
本当は究極のズボラ料理だと思うのだ。
賞味期限は長いわ、味付けはいらないわ、大量にできるわの
いい事づくしのズボラ仕様。
エセていねい生活。
さて、次は何を漬けてやろう。

JKという生き物

娘が、高校の同級生らと、私の話題になったらしい。

娘「とーこのママ、バリバリ働いてていいよね、と言われたから、家ではソファで、浜に打ち上げられたあざらしみたいに、ぐだっぼてって、してるよってこたえといた」
私「で、友だちはなんて言ったのさ?」
娘「あー、わかるわかるー。そんな感じがするー、だって」
そんな感じって・・・。JKは人の親にも容赦がない。

弁当に焼きうどんを作ったら、まずかったらしく
「500円、いやもう300円でいいから、お弁当を買わせて」と懇願された。
300円に負けてる母の味・・・。
この暑さじゃ、さすがにおうどんも美味しくないよねと言うと
「暑さじゃないと思う」
と氷のような冷たい返答が。本当にしみじみと、容赦がない。

沖縄の手仕事をたずねる

Discover Japan(ディスカバージャパン) 2017年 08 月号 [雑誌]

『ディスカバージャパン』(枻出版)8月号 発売。
柴咲コウさん 連載2 「こうめぐる 会いに行って、愛を知る。」(取材・文)

今月号は沖縄のおおやぶみよさんのガラス工房へ。
おおやぶさんと会うのは数年ぶり。
ますますアグレッシブになられていて、刺激を頂いた。

ガラスピッチャーを買った。
家にある別の作家のグラスと、夫婦(めおと)のように、ぴったり。
自分の好きなもののベクトルを、再確認する結果に。

あれだけ忙しいのに、コウさんは、誰よりも熱心に話に耳を傾け
質問をし、
ガラスに見入る。
彼女の聡明さと、ガラスの清々しさが共鳴して
頭がくらくらするくらい美しい写真(撮影/笠井爾さん)が、たくさん撮れた沖縄の旅。
ぜひご一読を。

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編集者魂

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『dancyu』送別会。
編集長と副編集長が退かれるということで、新日本橋べったらスタンドで、盛大な宴が催された。ずっとずっとずっと仕事部屋に生息していたので、久しぶりに娑婆の空気を味わう囚人のようであった。
個人的には、芥川賞作家の藤原智美さんに、影響を受けたご著書『「家をつくる」ということ』の感想をお伝えできたことが、今日のたくさんある至福のひとつである。

『dancyu』の副編の神吉佳奈子さんは、自分のライター人生で、最もたくさんの書き直しを命じられた編集者だった。つい最近でも、一晩で4回書き直した。
もうこれでいいだろう、と思っても夜中2時に「まだちょっと、大平節が出てません」とメールが来る。
そういう編集者は、絶滅危惧種寸前なので
私は、書き直しを言われれば言われるほど、燃えに燃える。
書き直しを晒すとは、プロとして恥ずかしい話しだが
真実だし、あえて書く。

そして彼女は体が壊れるほど仕事をして
編集者人生を卒業して、まったく新しい道を歩き出すという。

ある日、彼女と仕事をしてきたナカムラグラフのデザイナーと別のパーティで会い
「明日校了、という日でもおかまいましに直しを命じる。その高みを目指すしつこさが好きで、応えたくなる(もちろん自分の不甲斐なさを恥じながら)」と話したら
「私も全く同じ気持ちです」と
意気投合した。深夜2時だろうが3時だろうが、彼女に「素晴らしい!オッケーです!」と言わせたい一心で、がんばるという。

たとえば、そういう労働状態を文字にすると、ブラック企業というか、法からはみでることになる。
でも、ものづくりをする人間は、時間とお金ではない別の次元のものさしで
がむしゃらに働かねなばらない場面が、どうしたってある。

夜中に働くことがいいことだとは思わないし
フリーランスの権利向上のためにも
礼賛するつもりはないが、
神吉さんと仕事をした仕事はすべて、自分の中でキラキラ輝いている。
あのキラキラに名前をつけるなら、「達成感」だろうか・・・。

もうあんな編集者には会えないかもしれないと思うと少し寂しく
dancyu推薦の素敵な冷酒(名前忘れ)を、ガンガン飲んだ。