創刊15周年

『天然生活』11月号「根本きこさん 小さな暮らしの変遷』(取材・文)

創刊15周年。第1号からエッセイを連載中の根本きこさんに、これまでの歩みを人生年表付きで、振り返ってもらった。

逗子時代の取材から、もともと朗らかな人とはわかっているが、沖縄県内で転居し、今年、今帰仁村で『波羅蜜』を開店したばかりのきこさんは、今まで以上にいい具合に力が抜けて、とても軽やかな、素敵な表情をしていたように思う。

多様な引き出しを持ち、色んな角度から注視されるが、この人の最大の魅力は、やっぱり抜群に、劇的に、桁違いに、アジア料理が美味しいことであると、この3日間で再確認した。

(写真)
DIYの波羅密多(ぱらみつ)で食べる日替わりランチの旨さに腰を抜かした。一つ一つの惣菜に、どれだけ集中しているかがよくわかるプレートである。

打ち上げの居酒屋の窓の向こうに、海と夕やけ。

四谷荒木町クロニクル

上京して最初に働いた街、四谷荒木町で痛飲。
雑居ビルの2階に、編集プロダクションがあり、社員として女性誌の編集に携わった。

細く、いりくんだ路地。傍らのお地蔵様。小さな公園。
料亭の軒先に干されたからすみ。
紫色の看板のカラオケスナック。
安くて夜遅くまでおいしいナポリタンを出してくれるバー「こくている」。

変わったものと変わらないものが混在し、深く考えると悲しくなるのだが
フジテレビが河田町から海の方に移っても
ふんばって街の灯が消えずにあることが
ただ、率直に嬉しかった。

そして3軒はしご。
1軒目で青いビームスのパンプスを履いていたのだが
朝起きて、玄関を見たら、ピンクの(だいぶくたびれた)ジミーチュウのハイヒールに変わっていた。
他人様の靴で、2軒も飲み歩いていたってどういうこと・・・。

(写真)
夢(や愚痴)を語り合った、こくているは健在。
ナポリタンは深夜に食べるときほどおいしくて箸が止まらず、「でぶの敵」と言いながら
結局いつも、完食するのであった。